連載 福祉テクノロジー12の課題②:リソースを必要とする導入プロセス

12の課題全リスト

前回:12の課題①:利益の実現に向けた課題

福祉テクノロジーの導入プロセスに必要とされる注意を欠いているケースは多く、それは割り当てられたリソース不足や管理職の関心の低さに現れます。

これは、実装に必要なリソースが過小評価されていることと、実装には分野間の膨大な調整が必要であることが原因です。

経済的利益の予測についてもテクノロジーの初期投資費用しか考慮されておらず、その後の実施プロセスに資金が割り当てられなかったり、効果が現れるのがずっと後になってしまうという事実が見過ごされています。

導入時に必要な人的資源、経営リソースは見落とされがちです

導入時に必要な人的資源、経営リソースは見落とされがちです

 

この課題への対策は組織体制・マネジメントの2つの側面から考えられます。

組織体制

A. 職員とエンドユーザーの関与

福祉テクノロジーの開発と実装にエンドユーザーと職員がより深く関与することで、実装プロセスが促進され、その結果必要な労力の削減されます。

B. 組織横断的な協力体制

専門分野やビジネス分野を超えた横断的な協力関係を高めるための取り組みが必要であり、そのためには専門分野間の高いレベルでの信頼と敬意が必要です。これは特に、他分野横断的な能力開発を優先することを意味します。

C. サプライヤーの責任強化

導入プロセスに対するサプライヤーの責任を、サプライヤーとの契約に明記するなどして、より大きな責任を求めなければならない。

関係者全員の協力が必要

関係者全員の協力が必要

マネジメント

D. 現実を知る

プロジェクトマネージャー、コーディネーター、政治家などの関係者が現場に出て、実施プロセスが実際にどれだけリソースを必要とするか、大規模な実施にはどのようなリソースが必要かを理解する必要があります。