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株式会社ヤマグチは「人間は失敗から学ぶことができる」を理念として、国という垣根を越えて、より良い社会福祉の実現のための情報を提供していきます。

世界各国において、社会の変化に伴う福祉サービスの高度化・需要拡大とテクノロジーの発展に伴い福祉機器市場は拡大していくと考えられています。

一方で、福祉機器はその利用者の日々の生活で使われるものであるため利用実態の把握が難しく、また医療機器のように科学的な手法のみで効果を測定することが難しいため、誰にとって意味があり、本当に役に立つのかどうかがわかりにくいことが問題になっています。

福祉国家であるデンマークでは、本当に役立つ福祉機器を掘り起こすため、利用実態やレビューを自治体間で共有する仕組みを持っています。絶対的な「正解」がない福祉機器の選択においては、たとえ導入が失敗であったとしても、実際の使用事例が重要なデータとなり得るのです。福祉機器評価手法ATAT(Assistive Technology Assessment Tool)も彼らの長年の試行錯誤の中から生み出されました。

活用事例の共有のためには、利用に携わる人々とそこで使われる言語の統一化や共通の理解が必要です。株式会社ヤマグチでは、デンマークの仕組みに習い、日本国内の福祉機器の活用事例を共有するためのサービスを構築していきます。日本でも福祉機器評価手法ATATを広め、テクノロジー、福祉事業者、経済性、エンドユーザーの4つの視点から福祉機器を評価し、従来見落とされがちだった自分以外の他者の視点からの評価を促します。

サービスを利用する人々の個別性が高く、事例自体が希少な福祉業界においては、「うまく使えなかった」「思っていた程役に立たなかった」というネガティブに捉えられがちなフィードバックが何よりも重要です。

行政機関による認証や好事例、または科学的なデータは比較的入手が容易ですが、実際に使ってみた人々の意見や現場の方々の声は入手が難しいため見落とされがちであり、それゆえに価値があります。

現場の声を集約し、日本、世界中の福祉事業に携わる皆さんが協力できる方法を考える。それが株式会社ヤマグチの使命です。


株式会社ヤマグチ
代表取締役社長 山口 純

 代表者略歴

職歴・学歴

2008年 3月 芝浦工業大学 工学研究科 機械工学専攻修士課程 修了 工学修士号取得

2011年 3月 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 技術補助員

2015年 8月 Danish Technological Institute インターン

2016年 4月 University of L'Aquila, Dept. of Industrial and Information Engineering and Economics, Doctoral course 修了 工学博士号取得

2016年 4月 芝浦工業大学SIT総合研究所 脳科学ライフテクノロジー寄附研究センター 客員研究員

2017年 4月 産業技術総合研究所 ロボットイノベーション研究センター 博士研究員

2018年 7月 国立障害者リハビリテーションセンター研究所 障害工学研究部 流動研究員

2019年 6月 株式会社ヤマグチを設立

参加プロジェクト

2010-2012年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業:重度肢体不自由者用ロボットアームのコスト・ベネフィット評価

2016年度厚生労働省老人保健健康増進等事業:福祉用具の種目の検討等に関わるシステム構築に関する調査研究事業

2017年度公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団バリアフリー推進事業:ピクトグラム事例調査北欧諸国担当

2018年度NEDO人工知能技術適用によるスマート社会の実現:健康、医療・介護分野/ロボットをプローブとした高齢者の生活機能の計測・分析・介入技術の研究開発事業

 研究業績

  1. 山口 純, 岡村 宏他. 車両軽量化へのアプローチ, Dynamics & Design Conference 2006, "536-1"-"536-4", 一般社団法人日本機械学会, 2006

  2. 山口 純, 岡村 宏. 軽量化のための設計ノウハウ適用手法, 2007年度学術研究講演会 講演前刷集, 167, 社団法人自動車技術会関東支部, 2008

  3. 山口 純, 井上 剛伸他. 肢体不自由者用ロボットアームの臨床評価, 日本デザイン学会 第59回研究発表大会 概要集,  DN/JST.JSTAGE/jssd.59.0.150.0, 日本デザイン学会, 2012

  4. 木下崇史, 井上剛伸, 木之瀬隆, 中山剛, 山口純. 重度肢体不自由者用ロボットアームの有効性の検証. 第16回世界作業療法士連盟大会・第48回日本作業療法学会, 横浜, 2014-6-18/6-21. CI 1-2-4.

  5. Yamaguchi, J., et al. "Measuring Benefits of Telepresence robot for Individuals with Motor Impairments." Studies in health technology and informatics 217 (2015): 703-709.

  6. Yamaguchi, J, et al. "The telepresence robot for social participation: how much assistance is required?" International Journal of Integrated Care 15.7 (2015).